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2019年1月15日 (火)

能「羽衣 彩色之伝」(京都観世会館)ほか

 狂言「鎧」の途中で席に戻りました。「鎧」が終わって20分の休憩の後、仕舞二曲。「屋島」浦田保浩、「野守」杉浦豊彦、でした。

 この後、この日一番見たかった「羽衣 彩色之伝」が始まりました。主な出演者は次のとおりです。

    天人     観世清和
    漁夫白龍  福王茂十郎
    漁夫     中村宜成
    漁夫     喜多雅人

    大鼓     河村 大
    小鼓     林吉兵衛
    太鼓     前川光長
    笛       杉 市和

    後見     林宗一郎
            片山九郎右衛門

 実はこの観世流宗家が舞う「羽衣 彩色之伝」、元旦にNHKで放送されたのを録画して見たのです。そのとき、面(おもて)の表情に今まで見たことがないほどの深さを感じて、感動しました。装束も、見たことがないほど美しく、テレビでさえこんなに心を打たれるのだから、生の舞台ならどれほど素晴らしいだろうと思ったのです。
 その後、京都観世会館のホームページをのぞくと、同じ曲を同じ小書きで同じ観世清和さんが舞うことがわかり、ぜひ見ておきたいと思ったのでした。

 「羽衣」は、あまたある現行曲の中でも最も上演回数が多いのだそうです。それくらい人気が高いのでしょう。私もずっと前に見た記憶があるのですが、そのときはよくわからないままに終わってしまいました。

 見どころは天人(シテ)の舞です。お囃子はやや速い演奏なのですが、シテはゆるやかに舞い続けます。音楽と舞とが付かず離れず合っているところが絶妙でした。

 今回の「羽衣」では、謡の詞章が細部まで聞き取れなくても、感じ取ることを大事にすれば能は十分楽しめることがよくわかりました。
 じっと面を見ていると、はるか空のかなたに視線をやっているような、どこか切ないような表情を浮かべます。そこに心が震えるほどの深いものが感じられます。あとで調べると、月の世界を讃えて舞う場面や月の世界の天子を礼拝する場面だったようです。
 天人が人間の世界を祝福し喜びを与えるような仕草が美しく、見ていて心身が清められる気のする場面がありました。ここも私が受け取ったとおりの意味合いだったのでした。

 羽衣伝説にはさまざまなパターンがありますが、能では、羽衣を奪われたのでは天に帰れないと嘆く天人を哀れんで、白龍が羽衣を返します。このような人間の持つ「善」の部分に天人がこたえて、祝福するのだろうと考えています。

 装束は、初めから着ている小袖は朱色地に金雲と鳳凰。テレビで見たとき、きれいだけど何の柄だろう? と気になっていたところ、snowdropさんが同じ番組をご覧になって、教えてくださいました。文様の表現がまるで現代の油絵のような力強いタッチでした。
 地の色は、テレビでは赤みが強く見えたのですが、この舞台では唐織によく見られる朱色でした。照明の加減で見え方が変わるのかもしれません。

 白龍から返してもらって物着で(舞台奥で)身につける長絹は、白い地色の薄物。藤のような植物が描かれており、これもとびきりきれいで、まさに天女の衣のようでした。
 天冠(頭に乗せる被り物)には一番上に蓮の花が付き、キラキラした簪のような飾り(瓔珞、ようらく)が揺れていました。

 ラスト、天人は片袖を頭にかづき、あとじさりする形で消えていきます。白龍は舞台向かってやや左寄りの位置に立ち、それを見送ります。と言っても天人の方を直接見るのではなく、舞台後方(白龍から見ると右の奥の方)を見ているのです。ここは能独特の演出なのかもしれません。
 天人が消えていくさまがこの上なく美しくて清々しい。お正月にこの「羽衣」を見ることができて、幸せいっぱいの気分になりました。

  「彩色之伝」という小書き(特殊演出)がつく場合、上演時間は本来の上演方法より短くなりますが、演出としては重々しくなるのだそうです。演じ方は小書きによってかなり変わるのか、私の隣に座っていた女性客二人があとで「今まで見た羽衣とずいぶん違うね」と話していました。

 休憩15分の後、仕舞3曲。「老松」片山九郎右衛門、「東北(とうぼく)」井上裕久、「鞍馬天狗」林宗一郎、でした。林宗一郎さんは有斐斎弘道館で謡を教えてくださった講師の先生です。

 おしまいは能「小鍛冶」。正先に置かれた台の上で稲荷明神と三條宗近という名前の刀匠が実際に刀を鍛える所作をするところが面白い。シテの稲荷明神(前シテは童子)は深野貴彦、ワキの三條宗近は小林努でした。

 全部が終わったのは6時近く。11時開演から2回の休憩を挟んでおよそ6時間です。これで入場料6000円というのはお得と言えますが、長過ぎていささか疲れました。

追記:その後、能に詳しい方のブログを読んで、この日の装束の名前がわかりました。初めは「紅地鳳凰縫箔腰巻」、白龍に返してもらって着る長絹は「白地藤花蝶文様長絹」でした。




今年二度目の「翁」(京都観世会館)

 13日(日)、久しぶりに京都観世会館へ。「京都観世会一月例会」を見に行きました。目的は「羽衣」を見ることでしたが、最初に「翁」が上演されたので、今年二度目の「翁」を拝見することができました。

 主な出演者は次のとおりです。

    翁     大江又三郎
    三番三  茂山忠三郎
    千歳    樹下千慧(じゅげ ちさと)
    面箱    井口竜也

         大鼓   谷口正壽
    小鼓頭取     吉阪一郎
       脇鼓    荒木建作
       脇鼓    清水皓祐
    太鼓   井上敬介
    笛     杉信太朗

    後見   大江信行
          浦田保浩

 千歳の樹下千慧さんは、私が有斐斎弘道館で謡を習っていた時の先生の一人です。まだ若い能楽師ですが、素晴らしい声の持ち主。若さと力強さに溢れる千歳を見せていただきました。

 翁を演じた大江又三郎さんはシテ方の家柄、大江家のご当主。背が高くて恰幅が良く、堂々とした翁です。大槻文藏さんの翁には神々しさや霊性の高さが感じられますが、この方の翁は人間に近く、温かみが伝わってきました。

 三番三(京都観世会館のプログラムでは「三番叟」ではなく「三番三」と表記されていました)の茂山忠三郎さんも、とてもよかったです。所作や掛け声の一つ一つに意味と必然性があると感じられました。鈴は大槻能楽堂で使われたものより小ぶりに見えました。
 お囃子が途中からまるでジャズのセッションのように聞こえてきました。舞もお囃子に乗って実に心地良く、私はなぜともなく「うん、うん」とうなづきながら見つめていました。

 「翁」が終わると、小鼓の脇鼓お二人が下がり、ほかの囃子方はそのまま残ります。地謡の8人は舞台奥(「翁」の時は、地謡はこの位置です)から常の地謡の座へ移動しました。何が始まるのかと思ったら、このままの顔ぶれで次の曲「難波」に入ったのでした。

 この曲は途中、気持ちよく眠ってしまい、よくわからずじまい。収穫は、笛方の杉信太朗さんが素晴らしかったことです。「翁」の時には気づきませんでした。
 私の大好きな笛方、杉市和さんの子息で、30代半ばの若さ。音色が驚くほど濃密で滑らかで気迫に満ちていました。この方の笛は今までにも聴いたことがあるはずなのに、この日初めて聴いたような驚きに打たれました。将来が楽しみです。

 開演が11時、「難波」が終わったのは2時。3時間もの間、固い座席に座っていたので疲れてしまいました。引き続き狂言「鎧」が演じられたのですが、あまりにも疲れたし、お腹も空いていたので、いったんロビーに出ることにしました。私のほかにもここで休憩をとったお客が多かったです。
 狂言師の方々(茂山千作、茂山千五郎、網谷正美)には申し訳なかったのですけれども、3時間以上ぶっ続けというのはちょっと長すぎました。番組立てをもう少し工夫していただきたかったです。

 「羽衣」については別に書くことにします。



2019年1月14日 (月)

喜楽館で「昭和元禄落語心中」

 

 初釜の日、夕方から夫と一緒に神戸の新開地へ。昨年7月にオープンした落語の定席「喜楽館」に初めて行きました。

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 この日のテーマは「昭和元禄落語心中✖️上方落語」です。
  「昭和元禄落語心中」では江戸落語が数々取り上げられていますが、そのうちのいくつかを上方落語のバージョンで上演するという趣向です。すでに昨年、大阪の繁昌亭で開催したのだそうです。


 満員御礼でした。

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 ポスターも貼ってありました。

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 マンガでは二人ともキレイな顔なんですね。

 

 最初と中入り後にトークショーがありました。客席に向かって、マンガ、アニメ、ドラマのうちどこから『昭和元禄落語心中』にハマったかと尋ねたところ、それぞれ3分の1ずつくらいの答が返ってきていました。私たちはドラマからです。アニメもあったなんて、知りませんでした。

 あとで追加して「落語から入った方は?」という質問も出ましたが、反応はわずか。けれど、私の場合、これにも当てはまります。ドラマのタイトルに「落語」という言葉が入っていたから、興味を引かれて見始めたのです。 

 ネタと演者は次のとおりです。

    酢豆腐   笑福亭喬若
    宮戸川   笑福亭鉄瓶
    死神     笑福亭べ瓶(べべ)
    子別れ   桂かい枝

  「酢豆腐」は上方落語では「ちりとてちん」ですし、「子別れ」は江戸落語では「子は鎹(かすがい)」という題で呼ばれることが多いようです。
 
 喬若さんはくど過ぎました。上方落語には前座・二つ目・真打の区別はないとはいえ、最初の噺はさらっと済ませて次へバトンを渡して欲しかったです。
 鉄瓶さんの「宮戸川」はおじさん夫婦の会話がやけにエロっぽい。上方独特の味付けかもしれません。
 べ瓶さんはうまい。初めに「江戸落語とは趣が違います」と前置きしていましたが、それじゃあ上方バージョンはもっと明るいのかというと、そういうわけではなかったです。
 この噺、三遊亭圓朝がグリム童話を翻案して創作したのだそう。圓朝は舞台上に大きなろうそくを4本置いて照明を暗くして演じたんですって。きっと怪談のように怖かったでしょうね。


 トリのかい枝さんは子どもの可愛らしさと生意気さ、夫婦それぞれの可愛らしさをたっぷり聞かせてくれました。この落語家さん、以前は「爆笑王」の異名を取り、ドカンドカンと大笑いさせる方でしたが、いまはじっくり聞かせる路線に変わっているようです。

 生の落語を聞くのはずいぶん久しぶりでした。一時、落語にハマって、繁昌亭はもとより、ホールで開かれる落語会にもしょっちゅう足を運んでいました。上方落語ばかりでは飽き足らなくなり、東京の定席にもよく行ったものです。

 そうしているうちにほとんどの噺は複数回、聞くことになり、新作以外はマクラを聞いただけで「ああ、またあの噺か」とわかってしまいます。噺家さんによって演じ方は違いますし、同じ方でもその時によって味わいは異なります。とはいうものの、やはり同じ噺は聞き飽きてしまい、その結果、寄席から足が遠のいていました。
 今回は「昭和元禄落語心中」という切り口でしたので、新鮮さを覚えました。噺そのものはどれも何度も聞いたことのあるものばかりでしたが。

 客席は年齢層が若く、着物女子も多数見られました。客席数はちょうどよく、私たちの座席は1階後ろの方の壁際でしたが舞台を楽しむのに十分でした。
 終演後に食事をするのに良さそうなお店も見つけたし、また行ってみたいです。落語はチケット代がリーズナブルなのがありがたいところです。

お茶の先生、米寿の初釜

 

 12日(土)はお茶の先生宅での初釜でした。
 昨年、米寿を迎えられた先生は、このところさすがに足が悪くなってこられ、正座から立ち上がる動作を繰り返すのが無理なようす。これまでは表のお茶室に台子(だいす)を据えて、格式の高いお点前をなさっていたのですが、今年は奥の和室で立礼(りゅうれい)席でした。点茶盤という裏千家独特のしつらえを使って、主客ともに椅子に座っての濃茶席です。

 点茶盤の上に富士釜。浜松文様の皆具。吉祥の道具組みです。壁際に置かれている風炉先は黒柿です。

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 息子さんがやはりお茶の先生をなさっているので、多分、息子さんのアイデアなんだろうなと想像しました。先生が立ったり座ったりに難儀しておられるのを見るのは私も辛いので、立礼席にしていただいて良かったです。

 点茶盤はそれなりに格の高いしつらえなのですが、何といっても立礼は気楽です。和室に座る濃茶席に比べるとくだけた雰囲気があるせいか、とても和やかな空気に包まれました。普通なら濃茶席は決まり事も多くて緊張感の漂うお席なのです。
 私は今年も正客を仰せつかったのですが、アットホームな雰囲気に助けられ、あれこれと気を使い過ぎずにすみました。

 豪華な幕の内弁当をいただいた後、薄茶席へ。こちらは息子さんの指導で、息子さんが教えている若いお弟子さんたち7人が担当されていました。
 なんと、夜咄(よばなし)の茶事の趣向です。

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 お茶室の雨戸を立てきって室内を暗くし、床の端に置いたあかり(これは電球を使ったもの)と、あとは和ろうそくを立てた手燭だけで薄茶をいただきました。

 暗い室内に座り、和ろうそくの炎の揺らぐ中でお点前を拝見したりお菓子とお茶をいただいたり。お道具の拝見の時は客が手燭を順に送って、お道具が見えやすいようにしました。ワクワクするようなお席でした。

 先生のお宅にいつものように30人近い弟子が集まり、あちこちで久々の再会を喜び合う声が上がっています。皆が着物を着ているので、家の中が華やかな色彩に満ちて、お正月らしい気分を満喫することができました。
 今年も先生がお元気で、初釜を催してくださり、そこに参加できたことが何よりうれしくてたまりませんでした。

 この日は去年の初釜と同じ装いにしました。こちらをご覧ください。

 

2019年1月10日 (木)

着物で「翁」(大槻能楽堂)

 

大槻能楽堂で「翁」を見た日は、着物を着ました。

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 地色は沈んだピンクです。友禅と絞り、一部に刺繍を用いて組紐を表現しています。組紐には吉祥の意味合いがあるようです。

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 この着物は実家の母のものでした。母の晩年に私がもらったとき、
着た形跡はなく、新品同様でした。ピンクですが派手ではないので、40代の頃から今も重宝しています。
 身幅が狭いので着付がしやすい一方、身丈が短めでおはしょりが少ししか出ません。

 新春らしく明るい色の袋帯を締めました。草花や御所車、吉祥文様が織り出してあります。長女と共用でたびたび使ってきた愛用の品ですが、そろそろ年齢に合わなくなってきたかもしれません。

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 12日(土)はお茶の先生宅での初釜です。同じ着物で、帯だけ変えて出かけるつもりです。



2019年1月 8日 (火)

新春能「翁」を見ました

 1月4日はこの3年ほど恒例になって来た初観能。大槻能楽堂で「翁」を見ました。演者は以下のとおりです。

  翁      大槻文藏
  三番叟   野村裕基
  千歳      大槻裕一
  面箱      中村修一

  笛      杉 市和
  小鼓  頭取  成田達志
       胴脇  成田  奏
       手先  曽和鼓堂
  大鼓      亀井広忠
  
  後見      赤松禎友
          武富康之

  地謡     多久島利之
          齊藤信隆
          山本章弘
          梅若猶義
          山本正人
          大西礼久
          齊藤信輔
          寺澤拓海
  
  狂言後見  野村萬斎
          深田博治


 会場が神々しいほど厳粛な空気に包まれました。とりわけ翁を舞う大槻文藏さんが橋がかりを極めてゆっくりと重々しく歩む姿には目も心も吸い寄せられます。
 演者全員が舞台に揃った時の配置が絶妙で、寸分の無駄もない美しさが感じられました。

 千歳(せんざい)の大槻裕一さん(大槻文蔵さんの芸養子)が若さ溢れる力強い舞を見せたあと、いよいよ翁の舞です。大槻文藏さんの翁は一昨年拝見しています。昨年は観世銕之丞さんで、この方もよかったのですが、やはり大槻文藏さんは別格です。辺りを払う存在感と品格。私には神そのもののように気高く見えました。

 翁と千歳は退場し、三番叟(さんばそう)の舞が始まります。「翁」の中では、三番叟が舞う場面が一番長く、狂言方が務めます。
 私は一昨年は野村万作さん(人間国宝)、昨年はその息子さんの野村萬斎さんで拝見しました。二人とも素晴らしかった!
 今年は万作さんの孫、萬斎さんの子息の裕基さんが三番叟です。どんな舞を見せてもらえるだろうとワクワクしていました。

 ところが、結果はとても残念でした。芸がまだ三番叟を舞う水準に達していません。声も体もできておらず、体がまとう空気感が希薄なのです。お祖父さんやお父さんとはキャリアがまったく違うのですから、比較するのが酷なのはわかっています。ただ、どうしてこの若い狂言師(18歳)に三番叟の大役を任せたのだろうと疑問に思ってしまいました。
 途中からは孫を見守る祖母のような気持ちになり、無事に舞い終えることができるだろうかと、ハラハラしながら見続けていました。こんなことは初めてです。

 きっとご本人が一番辛かっただろうと思うのです。後見として舞台上で子息の舞を見つめていた萬斎さんは厳しい表情でした。あとでお父さんにどんなに叱られただろうと思うと気の毒です。
 伝統芸能の家に生まれて、芸を受け継いでいかなければいけない子どもさんたちはつくづく大変ですね。

 いつも「翁」を見たあとは心身ともに清められた気がして、清々しさに満たされて家路に就くのに、今回はその気分を味わうことができませんでした。

 調べてみると、万作・萬斎・裕基の親子三代で昨年9月、パリで三者三様の三番叟を披露しているのだそうです。そのとき裕基さんはどんな舞を見せたのでしょうか。
 今月、東京での公演では裕基さんは面箱(めんばこ)の役を務めています。この人、今の段階では面箱をじっくり稽古したほうがよいと思いました。
 ちなみに萬斎さんも18歳で三番叟を披(ひら)いています。萬斎さんが18歳で舞った三番叟が見たくなりました。

 「翁」の後、狂言「隠狸(かくしだぬき)」。万作さん・萬斎さん親子がたっぷりとまろやかな芸を見せてくれ、心地よく笑わせてもらいました。裕基さんの不十分さをいくらかは補っていただくことができました。

 締めくくりは能「国栖(くず)」。前シテ・漁翁、後シテ・蔵王権現を観世銕(てつ)之丞さんが務めました。登場人物が能楽師7人、狂言師2人と、華やかな舞台です。
 昨年の一時期、京都の有斐斎弘道館へ謡の稽古に通っていました。そのときの曲が「国栖」でしたので、内容はあらまし知っており、わかりやすかったです。謡本だけではわからなかった部分も視覚的に表現されることでよくわかり、楽しめました。残念ながら途中、少し眠ってしまいましたが。

 この曲、後シテの蔵王権現が面も装束も舞も実にかっこいいのですが、後シテが登場してから引っ込むまでの時間がとても短いです。一番盛り上がるシーンなのにあっけなく終わってしまうので、やや物足りなさを覚えてしまいました。めでたい気に満ちた曲ではあるのですが。

 ネットで調べたら、今月27日に京都の金剛能楽堂で「翁」が演じられることがわかりました。今まで見て来たのは観世流の「翁」ばかりです。金剛流の「翁」も一度見ておきたいと思い、チケットを申し込みました。「翁」の口直し(?)ができるかも、と期待しています。



2019年1月 3日 (木)

今年のおせちを紹介します

 明けましておめでとうございます。

 我が家の今年のおせち料理を紹介します。

 一の重。

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 右上の蓋物には数の子が入っています。時計回りに、栗きんとん、紅白なます、黒豆、酢ばす、紅白かまぼこ、そして中央がごまめです。
  
 二の重。

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 右上から伊達巻、海老芝煮、棒だら(出来合いのもの)、にしんの昆布巻。

 三の重。

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 右上からごまめとクルミを油で揚げて蜜を絡めたもの(新作。年末に「きょうの料理」で放送していたレシピどおりに作りました)、豚かたまり肉の梅酒煮(新作。これも同じ)、どんこ椎茸煮、くわい、棒だら、高野豆腐。
 
 四の重。

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 筑前煮、里芋、こんにゃく。里芋とこんにゃくは筑前煮とはそれぞれ別に炊きました。人参の色が変なのは光線の加減です。
 こんにゃくは半丁のものを別々のスーパーで買ったら少し色が違っていて、見た目に変化ができました。味が染み込みやすいように細かく包丁目を入れてあるのですが、詰めるときは高さの関係でその面が横を向いてしまっています。

 今年は大人10人プラス孫、合計11人でお祝いすることになったので、重箱一つでは足りず、二つに分けました。上の写真の重箱は昔、義父が特注で誂えた家紋入りのものです。20年ほど前に義父が亡くなってからはしまい込んだままだったのを、久しぶりに義母の家の押入れから取り出して使いました。

 下の写真の重箱は
三段重ねです。結婚したときに私が実家から持って来たもので、このところ毎年使っています。

 一の重。

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 二の重。

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 基本、同じ料理を入れていますが、昆布巻はこちらはにしんではなく豚肉を巻いています(新作。にしんが足りなかったための苦肉の策です)。

 三の重。

3
 ごまめ&クルミは入りきらず、別の小鉢に盛りました。

 伊達巻の数が少ないのは、巻き方を失敗したため。ちぎれてしまったのが多くて、無事だったものだけを入れています。
 今回は、いつも30日に我が家に来て、半日手伝ってくれる次女(調理師)が熱を出して寝込んでしまい、初めて私一人で全部仕上げました。伊達巻は、毎年、次女が手際よく作ってくれていたのです。私は巻き方の要領がよくわかりませんでした。

 次女に具沢山の汁物を作って届けたりもしながら、おせち料理を18種類作り、出来合いのかまぼこと棒だらを合わせると20種類という豪華版(?)になりました。
そんなに頑張るつもりはなかったのですけれど。

 元旦にこのおせちを家族みんなに食べてもらったときには、今年初めての達成感を味わいました。


2018年12月25日 (火)

サーモス スープジャー

 大文字山ハイキングで初使いしたサーモススープジャー。暖かい汁物が暖かいまま食べられます。少しは冷めますが、それでかえって食べやすくなります。

 昨年12月、再度山に行ったとき、連れのそらまめさんとHさんがスープジャーを持参していました。その時は「いいな」と思ったものの、私も欲しい! とまでは考えませんでした。

 ところが最近のハイキングで、2回続けて昼ごはんの後、胃の調子が悪くなったのです。寒い日に冷たいものを食べたのがよくなかったみたい。

 以前からネットでスープジャーについて調べていて、サーモスの製品が一番機能が良いらしいと知っていました。アマゾンで値段を見ると、380ml のが2267円。ポーチとお箸がセットになったものだと、ポーチは1453円、お箸は1080円で、セット価格は4800円(税込だと5184円)でした。 

 実際にどれくらいの大きさなのかを確かめたくて、近くのイオンへ。セール中で値下げしたものが出ていました。ただし400mlのが一つと、250mlだったか、かなり小さいのが一つだけ、アマゾンとたいして変わらない値段です。

 小さすぎるよりは大きい方がいいかも、と、400mlのを買うことにしました(私の場合、お弁当はこれだけで、ご飯やパンは食べません)。箱と取説がなくて、その分、10%値引してくれました。
 さらに、ポーチとお箸はセールではないのに、アマゾンより安かったのです。合計で4545円(税込)。
 結局、お得なお買い物ができました。

 ネット通販は実店舗より安いことが多いので、何でも安いんだと思い込んでいたけど、案外そうでもない場合もある! 新発見です。
 イオンに行ってみてよかったわー。

 (400mlはやはりちょっと容量が多すぎて、残してしまいます。かといって、少なめに入れると冷めやすいらしいです。)



2018年12月24日 (月)

金戒光明寺、吉田神社から大文字山に登って14km

 12月16日(日)、阪急ハイキングの「師走の京都を眺めよう  金戒光明寺から吉田山・大文字山コース」に参加しました。

 10時半に四条河原町で賀茂川の西側河川敷を北に向かって出発。よく晴れています。

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 丸太町通を東へ進み、岡崎から北へ。金戒(こんかい)光明寺に着きました。

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 通称「くろ谷さん」。「黒谷」という名前は以前から知っていましたが、こういう名前のお寺だとは知りませんでした。ずいぶん立派なお寺です。

 境内を抜けて、吉田神社へ。鳥居を途中までくぐり、

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 吉田山公園を歩き、

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 銀閣の門前を過ぎて、地道に入ります。

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 このあたりは国有林だそうです。
 やがて大文字山の登り口に着きました。

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 けっこうきつい山道を登りました。ストックを持っていってよかった!

 12時ごろ、火床が並んでいる場所に到着。昼食です。五山送り火のときは、この火床に燃料を置いて燃やすのだそう。

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 燃料(木かな?)を持って上がるのが大変でしょうね。

 京都市街が一望できます。

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 私はスープジャーにクリームシチューを入れて行きました。ブロッコリーを入れるつもりだったのに、忘れた〜。

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 寒い日に暖かい食べ物は何よりのご馳走です。

 さらに20分ほど登って、12時45分、頂上へ。三角点を見つけました。

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 この後、アップダウンを繰り返しながら降りて行きます。かなり急な部分も多かったし、時間も登りより長くかかりました。
 こちらから登るコース(何人もすれ違いました)はしんどいだろうなあ。

 途中、台風21号による倒木がおびただしい。ぽっきり折れているものや、

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 根こそぎ倒れているもの。

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 倒木をまたいだりくぐったりを繰り返して、日向(ひむかい)大神宮へ。深閑として人気(ひとけ)が見えません。

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 蹴上のインクラインに降りて、

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 青蓮(しょうれん)院や知恩院の前を通り(神宮道)、2時45分ごろ、阪急電車河原町駅の構内でゴール。参加者は910人だったそうです。スマホの歩数計では32,
000歩近く、22km余りを歩いていました。1210kcalを燃やしたらしい。

 大文字山は低い山だし(標高466m)、大したことはないだろうとたかをくくっていたらとんでもなくて、しっかり歩き応えのあるコースでした。今の私の体力だと、このくらいの標高の山がちょうどいいみたいです。

 今回も山道を歩く楽しさが満喫できました。ただ、倒木の凄まじさには心が痛みました。ちゃんと歩けるようにしてくださった方々(京都市の職員さんかな?)に感謝です。





 

2018年12月20日 (木)

昭和元禄落語心中 脚本と音楽

 NHKのドラマ「昭和元禄落語心中」、脚本が良かったので、脚本を書いた羽原大介についてウィキで調べてみました。

 つかこうへいに師事。
 映画「パッチギ!」(2005年、共同脚本)で日本アカデミー賞優秀脚本賞、「フラガール」(2006年、共同脚本)で同じ賞の最優秀脚本賞を受賞しています。
 テレビでは朝ドラ「マッサン」(2014年)の脚本を担当していたのもこの人でした。
 ほかにも舞台、映画、テレビドラマなどの作品リストがどっさり並んでいますが、私が知っている作品はこんなところでした。「マッサン」も悪くなかったし、「パッチギ!」と「フラガール」
はとても面白い映画でした。


 音楽もドラマチックで印象的でした。担当した村松崇継は朝ドラ「天花」「だんだん」の音楽を作曲した人。映画ではスタジオジブリの「思い出のマーニー」があります。この人もリストには作品名がわんさか並んでいます。

 質の良いドラマは才能豊かなスタッフに支えられてできています。

«おせちの材料の買い出しに天満市場へ